1950年代の服飾文化と「教養」の言説 : 文化服装学院での事例を中心に

本稿では、文化服装学院での事例を中心に、洋裁の技術に付随して語られた「教養」の言説が、洋裁学校を中心とした人々のコミュニケーションのような、1950年代特有の服飾文化のあり方といかなる関係を取り結んできたのかを分析した。そして、それら「服飾文化と教養」の言説が、洋裁学校での学校教育のカリキュラム、機関誌である『装苑』、学院や雑誌での学生／読者の共同体といった相互に関連し合う場同士の連関に対して果たした役割の一端を検討した。