Back to Search
Start Over
Validity of serum lactate monitoring in diagnosis of ischemic enterocolitis after thoracoabdominal aortic aneurysm repair: report of a case
- Source :
- Nihon Shuchu Chiryo Igakukai zasshi. 13:463-466
- Publication Year :
- 2006
- Publisher :
- Japanese Society of Intensive Care Medicine, 2006.
-
Abstract
- 胸腹部大動脈瘤(thoraco-abdominal aortic aneurysm, TAAA)術後の腸管虚血の診断に血清乳酸値が有用であった症例を経験した。症例は73歳,女性。胸腹部大動脈瘤の診断にてステント挿入術と,腹部分枝に対する人工血管を用いたバイパス術を施行した。術中およびICU入室後,低酸素血症やショックに陥ることがなかったが,腹部分枝バイパス終了6時間後から血清乳酸値の上昇と代謝性アシドーシスが進行した。代謝の亢進や肝不全,循環不全,呼吸不全を示唆する所見がなかったため,腸管虚血を疑った。試験開腹術を行ったところ,上腸間膜動脈にバイパスしたグラフトが屈曲し,血流が遮断されていた。直ちに虚血を解除し,新たにバイパス術を追加した。ICU帰室後,血清乳酸値は4時間で正常化し,患者は合併症を併発せず,第5病日には一般病棟へ退室した。大動脈疾患に伴う腸管虚血の診断は臨床症状以外では困難な場合が多い。血清乳酸値の特性を十分に把握した上での連続モニタリングは,大動脈疾患に伴う腸管虚血の診断に有用な補助手段となることが示唆された。
Details
- ISSN :
- 1882966X and 13407988
- Volume :
- 13
- Database :
- OpenAIRE
- Journal :
- Nihon Shuchu Chiryo Igakukai zasshi
- Accession number :
- edsair.doi...........e98e1043227376824a6a200536353186