Study of hemodialysis patients who do not require administration of recombinant human erythropoietin

血液透析 (HD) 患者の腎性貧血の機序を解明するため, HD導入期から全くrHuEPOの投与を必要としない症例および一時rHuEPOが投与されていたが, 貧血改善後投与中止例で, ともにヘマトクリット値 (Ht) が30%以上に維持されている患者を非投与群 (14例) とし, rHuEPO週3回HD後静注により5か月の観察期間中Htが30%以上に維持されている患者を投与群 (14例) として, 両群の比較検討を行った. その結果, 非投与群の赤血球 (RBC), ヘモグロブリン (Hb), Ht, 総鉄結合能 (TIBC), 不飽和鉄結合能 (UIBC), およびトランスフェリンは投与群に比して有意に高値を, フェリチンは有意に低値を示した. 非投与群では, フェリチンとトランスフェリンの間, フェリチンとHtの間にそれぞれ有意な負の相関を, トランスフェリンとHtの間に有意な正の相関を認めた. トランスフェリンは, HD患者の栄養状態および貧血の評価として重要である.