An Operated Case of Gallbladder Stone with Double Cystic Duct

症例は62歳男性.主訴は心窩部痛.精査にて胆嚢結石症と診断された. 23歳時に十二指腸潰瘍に対し幽門側胃切除, Billroth II法再建を施行されていたため内視鏡逆行性膵胆管造影(endoscopic retorograde cholangiopancreatography,以下ERCP)は困難であり胆道系の詳細な情報は術前には得られなかった.手術は,胃切の既往があることを考慮し開腹下に胆嚢摘出術を行った. Calot三角部に胆嚢管,胆嚢動脈が確認されたが,さらに術式をすすめていくうちにそれとは別に胆嚢頸部より肝門部へと走向する索状物が存在した.この索状物より術中造影を行ったところ右肝管根部付近が造影され,肝管と交通があることが確認されたため,重複胆嚢管と確診し,今回は結紮切離した. 胆道系手術に占める重複胆嚢管の割合は0.03%と非常に稀ではあるが,術後胆汁瘻を防ぐため,その存在の可能性を念頭に置き手術操作をすすめていく必要があると思われる.