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Authors :
Kumiko Suzuki
Kenichiro Kusano
Yuichiro Kuratomi
Kyoko Yokogawa
Mikio Monji
Akiko Inoue
Go Tanaka
Rintaro Snimazu
Akira Inokuchi
Shintraro Satoh
Source :
JOURNAL OF JAPAN SOCIETY FOR HEAD AND NECK SURGERY. 18:181-186
Publication Year :
2008
Publisher :
Japan Society for Head and Neck Surgery, 2008.

Abstract

1991年から2006年の間に佐賀大学医学部附属病院で経験した甲状腺分化癌縦隔進展例15例の治療成績について検討を行った。症例は男性6例,女性9例,平均60歳で,初発例が5例,再発例が10例であった。縦隔進展のパターンは縦隔リンパ節転移が14例,縦隔への直接浸潤が1例であった。縦隔郭清術を施行した症例は7例で,すべて胸骨縦切開法により胸部外科医によって行われた。初発時に頸部手術と縦隔郭清術を行った症例が4例,再発時に縦隔郭清術を行った症例が2例,再発時に頸部手術と縦隔郭清を行った症例が1例であった。縦隔郭清術施行7症例の5年生存率,10年生存率はいずれも85.7%であった。非施行例8例のうち6例は手術不能により根治手術を施行しなかった。これら6例は診断後4年以内に死亡しており,このうち4例は気管狭窄あるいは気管内出血という苦痛の大きな死因であった。このような大きな苦痛を取り除くために,非根治例でも今後は症例によっては縦隔隔清を選択すべきであると考えられた。非施行例のうち2例は手術拒否例であり,1例は診断後89ヶ月,もう1例は120ヶ月になるがいずれも担癌生存中である。縦隔郭清術に伴う合併症として縦隔洞炎と反回神経麻痺が1例ずつみられ,縦隔洞炎は抗生剤投与と縦隔内洗浄で制御できた。甲状腺癌縦隔進展例に対する縦隔郭清術については,耳鼻咽喉科・頭頸部外科医が単独で行う胸骨柄切除や胸鎖関節切除などの術式が一般的であるが,耳鼻咽喉科と胸部外科のチーム医療で臨む胸骨縦切開法は充分な視野が得られ比較的安全に行い得る術式であり,有用な術式の一つであると考えられた。

Details

ISSN :
1884474X and 1349581X
Volume :
18
Database :
OpenAIRE
Journal :
JOURNAL OF JAPAN SOCIETY FOR HEAD AND NECK SURGERY
Accession number :
edsair.doi...........c8e0dd49b390e2b080d51f9ed261c8b5
Full Text :
https://doi.org/10.5106/jjshns.18.181