Primary diffusely infiltrating carcinoma of the colon. Report of two curatively resected cases and review of the literature in Japan

原発性びまん浸潤型大腸癌の2治癒切除例を報告すると共に, 本邦報告例172例を文献的に考察し, 本症の年齢分布, 罹患部位, 術前検査所見, 手術所見, 肉眼所見, 病理組織所見などについて検討した.症例1 : 77歳, 男性.主訴は肛門痛.注腸造影, 内視鏡検査, 生検 (陽性), 他臓器検査 (腫瘍性病変なし) などにて原発性びまん浸潤型直腸癌と診断した.手術所見 (大腸癌取扱い規約1>による) はS0A2P0H0N1で, 直腸切断術 (治癒切除) を施行したが, 術後6カ月日に癌性腹膜炎, 後腹膜浸潤による腎不全にて死亡した.症例2 : 73歳, 女性.主訴は便秘.注腸造影, 内視鏡検査, 生検 (陽性) などにて原発性びまん浸潤型直腸癌と診断した.手術所見はS0Ai (腟後壁) P0H0N1で直腸切断術 (治癒切除) を施行した.術後48 Gy の骨盤腔内放射線照射を追加し, 術後12カ月再発徴候なく健在である.なお症例1, 2共に低分化腺癌であった.