A Case of Mucin-Producing Cholangiocarcinoma with Mucosal Invasion without Preoperatively Any Evidence of Tumor, Resembling Intraductal Papillary Mucinous Tumor of the Pancreas

症例は62歳の男性で, 心窩部痛を主訴に近医を受診し左肝内胆管拡張を指摘され当院紹介入院となった. 入院前後検査所見で動揺性の胆汁うっ滞を示し, 腹部CTでは左肝内胆管は著明に拡張し総胆管も拡張していたが明らかな腫瘍像は認められなかった. ERCPでは粘液と考えられる淡い陰影欠損像が三管合流部および左肝管分岐部に多く存在し, B2, B3胆管枝分岐部に不定形の透亮像を認めた. 胆管内超音波検査では腫瘍の同定はできなかったが, 左肝内胆管原発の粘液産生肝内胆管腫瘍を疑い肝左葉, 左尾状葉切除を施行した. 摘出標本上B3胆管枝根部近くに2.5×1cm大の乳頭状腫瘍を認め, 病理組織所見は腺腫成分を含む乳頭腺癌, 深達度mで膵管内乳頭粘液性腫瘍 (intraductal papillary mucinous tumor of the pancreas; 以下, 膵IPMT) 類似の腫瘍であった. 臨床病理学的に膵IPMT類似の粘液産生肝内胆管癌の1例を経験したので最近の疾患概念についても言及し報告する.