A Case of Huge Cystic Gastrointestinal Stromal Tumor of the Small Intestine with CA125 Elevation and Pseudo-meigs Syndrome which was Difficult to Differentially Diagnose with an Ovarian Tumor

症例は60歳の女性で，腹部膨満を主訴に近医を受診後，胸腹水を伴う卵巣癌の疑いで当院婦人科紹介となった．血液検査にてCA125の異常高値を認め，腹部超音波，腹部造影CT・MRIにて，子宮と接する巨大な多房性嚢胞性腫瘤で，嚢胞内に乳頭状に増殖する充実性部分を認め，卵巣癌（漿液性嚢胞腺癌）が疑われた．開腹所見は両側付属器に異常はなく，空腸から管外に発育する約20cm大の腫瘤を認め，一部は膀胱へ浸潤していたため，合併切除を行った．術後胸腹水の再出現は認めず，第15病日に退院となった．病理組織学的にはc-kit陽性で小腸gastrointestinal stromal tumor（GIST）と診断された．嚢胞性GISTは比較的まれで，CA125の上昇とPseudo-Meigs症候群と同様の機序を呈したきわめて特異な病態であったため術前診断が困難であった．Pseudo-Meigs症候群を来した小腸GISTは本邦では初めての症例である．