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Chemical state analysis of sulfur in hair samples by high resolution XRF

Authors :
Yohichi Gohshi
Atsuo Iida
Sel Fukushima
Jun Kawai
Keiichi Furuya
Qi Wenqi
Source :
BUNSEKI KAGAKU. 36:301-305
Publication Year :
1987
Publisher :
Japan Society for Analytical Chemistry, 1987.

Abstract

生体試料の分析の分野においても,定性・定量分析だけでなく,含まれている元素の状態分析の必要性が高まっている.本研究では,ヒトの毛髪を試料に取り上げ,高分解能XRF法により試料に含まれる硫黄の状態分析が可能であることを示した.高分解能蛍光X線スペクトルは,二結晶型分光器{分光結晶:Ge(111)×2}を用いて測定した.更に得られた高分解能SKαスペクトルに対し,最小二乗法によるピーク分離法を適用して解析を行い,定量的な状態分析を行った.22種の標準物質の測定と,試料の測定及び解析から,ヒトの毛髪中の硫黄はS2-(有機物)が主成分であり(95~96%),S6+(無機物)がわずかに存在することが分かった.この二つの状態以外は存在しないことも分かった.中国人と日本人,男性と女性を対照させて検討した結果,硫黄の量,状態共に国籍の差が認められた.又,女性のほうがS6+がわずかながら多いことも認められた.一方黒髪と白髪を対比して検討したところ,白髪は黒髪に対しS2-が減少する傾向にあることが分かった.X線照射による損傷については.本研究での条件程度のX線(Cr,35kV,30mA)であれば,1時間強程度の照射ならば硫黄の状態が変化することはないことが明らかになった.

Details

ISSN :
05251931
Volume :
36
Database :
OpenAIRE
Journal :
BUNSEKI KAGAKU
Accession number :
edsair.doi...........68fef21f96de5840bfb34fca24261ab7