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Picosecond spectroscopic studies on photoreduction of benzophenone by triethylamine

Authors :
Kaoru Suzuki
Saburo Nagakura
Takayoshi Kobayashi
Hiroyuki Ohtani
Source :
NIPPON KAGAKU KAISHI. :1479-1483
Publication Year :
1984
Publisher :
The Chemical Society of Japan, 1984.

Abstract

カルボニル化合物によるアミンからの水素引き抜き反応は電荷移動型の中間体を経て進むとされている。事実,ベンゾフェノン(BP)-トリエチルアミン(TEA)系のアセトニトリル溶液では励起後10psにアニオンラジカルの吸収がみえ,30ps後にはケチルラジカルに変化している(ShaeferとPeters,1980)。しかし,この報告では3BP*の減衰についての記述がなく,また電荷移動の速度が芳香族アミンからのそれらより速いことから1BP*からの反応を否定できない。著者らはTEAを溶媒とし3BP*による水素引き抜き反応をピコ秒分光によつて研究した。TEAは基底状態ではBPと錯体をつくらずまた極性もアセトニトリルより低いので1BP*からの反応(電荷移動)の効率は低く,3BP*からの拡散律速でない過程を見ることができる。ピコ秒分光はOMA二次元使用によるスペクトル測定およびエシエロンを用いた時間変化の測定の両面から行なった。その結果はじめに3BP*が生成し50psの寿命で減衰する。励起後150psの吸収スペクトルは完全にケチルラジカルの吸収スペクトルであった。1BP*および3BP*のいずれからのアニオンラジカルの生成も観測されなかった。これは電荷移動後1のプロトン移動がきわめて速いため,あるいは直接の水素移動(電子およびプロトンの移動が同時)によると考えられる。3BP*によるTEAからの水素引き抜きは50psの時定数で起きると結論される。

Details

ISSN :
21850925 and 03694577
Database :
OpenAIRE
Journal :
NIPPON KAGAKU KAISHI
Accession number :
edsair.doi...........4fd978467a5439a073f841fc9905317f