Usefulness of CTAP in the Diagnosis of Hepatic Tumors. Comparison with Helical-CT in Tumor Detection, Especially Tumors Under 1cm in Diameter

肝腫瘍患者24例(肝細胞癌16例,転移性肝腫瘍8例)に対しcomputed tomography during arterial portography (CTAP) とhelical-CTを施行し,両者における腫瘍検出率の差を比較検討した. 24例においてCTAPでは101個の腫瘍が検出されたが, helical-CTでは36個 (35.6%) にすぎなかった. 1cm未満の腫瘍はCTAPで20個検出されたが, helical-CTでは4個 (20%) にすぎなかった. helical-CTで手術可能とされたがCTAPで手術不能と判断された症例は24例中5例(肝細胞癌3例,転移性肝腫瘍2例)だった.これらの症例でCTAPでは63個の腫瘍が検出された. 1cm以上の腫瘍は47個検出されたが, helical-CTでは13個 (27.7%) にすぎなかった. 1cm未満の腫瘍は16個検出されたが, helical-CTでは4個 (25%) にすぎなかった.このように多発傾向にある肝腫瘍の局在診断においてhelical-CTでは不十分であり,手術適応の判断も含めCTAPは必要不可欠な検査法と思われる.