Report of a case diabetic renal failure with hemorrhagic cerebral infarction induced by hemodialysis

約30年の糖尿病歴がある55歳の慢性腎不全患老が急性心筋梗塞を発症し入院, 経過は良好であったが, 入院6日目左中大脳動脈領域の広範な脳梗塞, さらに消化管出血を併発し, 腎不全の急性増悪を認めた. 心機能の面から体外楯環が可能と考えられたため入院15日目血液透析を施行, 抗凝固剤はnafamostat mesilateを使用した. この初回の透析開始直後より意識が低下し, 頭部CTで上述の脳梗塞部に一致して, 広範囲の高吸収域と著明な脳浮腫を認め, 出血性梗塞が確認された. その翌日より腹膜透析に変更したが, 脳ヘルニアをきたし入院33日目死亡した.広範な脳梗塞の急性期に, 血液透析の際の抗凝固剤投与が誘因となって, 出血性梗塞を併発した可能性が推察された. また血液透析中は頭蓋内圧が亢進することから, 広範な脳梗塞を合供した腎不全患考の血液浄化法の選択として, 脳出血同様腹膜透析が適当であると考えられた.