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道徳的情操は経済的選好の限界を越えられるか : Frank (1987) 'Homo Economicus Utility Function' のレビュー

Authors :
Uno, Yoshifumi
Publication Year :
2021
Publisher :
広島大学経済学会, 2021.

Abstract

赤面は嘘を暴露し、次の瞬間、言いしれぬ決まり悪さをもたらす。しかしながら、信頼が求められている状況で、「赤面する人」というレッテルは大きな優位性をもたらすかもしれない。本稿では、協働行動を事前に要求する問題(いわゆる、プリコミットメント問題)の解決を支援する装置として、個人的嗜好が極めて有効に機能するモデルを展開する。ここで示される嗜好は、単純に、「気持ちが晴れない」という理由のためだけで、効用関数の中で有用な役割を果たす。個人的嗜好を内生変数とするこのモデルは、伝統的合理的選択モデルの仮定とは大いに異なるものである。<br />研究プロジェクト「外在的報酬の内発的動機付けに対する有害効果」(課題番号:26380462)への日本学術振興会の学術研究助成基金助成金の資金援助に深く感謝いたします。本レビューは、同研究プロジェクトの遂行にあたりなされた、一連の文献レビューの一環であり、主として、Robert H. Frank, “If Homo Economicus Could Choose His Own Utility Function, Would He Want One with a Conscience?” American Economic Review, Vol.77, No.4, 1987, pp. 593-604をレビューしたものである。

Details

Language :
Japanese
Database :
OpenAIRE
Accession number :
edsair.dedup.wf.001..a28d497153b8e91c58ae5f6cb29237ef