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第1章研究の背景と目的1－1．研究背景近年、住民参加のまちづくりが一般化し、市民組織の体制から都市計画参加の手法まで制度化され、様々な市民組織や住民参加の手法が生まれた。しかし、制度、条例は整いつつあるが住民参加のまちづくりにおける問題はいまだ多く残されている。例えば、市民参加型ワークショップ（以下、WS）を行う場合でも参加者の年齢層に偏りがあり高齢者が多く、若者が少ない。また、非専門家である為に合意形成に多大な時間と労力を要する。これはWSが時間、場所が限定されている事や、プロジェクトが特定の人々で構成され閉鎖的である事、そもそも多くの地域住民が認知していない場合が多い。一方、2000年代になってインターネットが爆発的に普及し、利用者層や活用分野が拡大している。2009年の時点では日本の78％（9408万人）がインターネットを利用している。都市計画・まちづくりの分野においても住民参加のツールとして様々な活用方法が試されている。中でもユーザーが情報を発信し、コンテンツを形成していくソーシャルメディアは、ユーザー同士のつながりを促進する様々なしかけが用意されており、まちづくりにおいても、様々な異なる関係主体の意思や関係性を視覚化／共有化させている。また、インターネットの発達と同時に3次元仮想空間の開発も進んできた。WSに参加した地域住民は非専門家である為、自分のイメージを表現する事は難しい。そこで、立体的に空間を把握できる3Dコンピュータ・グラフィックスやその3D空間を自由に回遊でき、リアルタイムでシュミレーションを実行できる三次元仮想世界（3D Internet以降3Di）など、参加者のイメージを視覚化するツールがWSで活用されている場合もある。1－2．研究目的本研究はインターネット、3Diの有効性に着目し、住民参加型まちづくりの問題を解決する為の新たなまちづくりのプラットフォームをつくる事を目的とする。具体的には、三次元仮想世界上に対象都市を再現し、現地で行ったワークショップの成果をアーカイブし、インターネットを通して参加可能なプラットフォームを開発し、有効性を検証する。1－3．班住研究（表1）本研究は大きく分けて3つの文脈からなる。一つ目は住民参加型のまちづくりプロセスに関する研究。2つ目はインターネットを活用したまちづくりに関する研究。3つ目は3次元仮想空間を活用したまちづくりに関する研究である。前者に関しては、佐藤滋研究室が提唱するまちづくりデザインゲーム以降、革新的なまちづくりプロセスを行っている事例は殆どない。また、インターネットを活用したまちづくりに関しては、1999年に小林氏らがインターネット上の掲示板を活用し、マスタープランの策定を目論んだ。また、2003年には真鍋氏がユーザー参加型の地図書き込みマップを作成している。そして、3次元仮想空間を活用したまちづくりに関する研究に関しては、松浦氏の「セカンドライフ」における土地利用計画の策定過程は数少ないセカンドライフを活用した研究である、そして、VR作成専門ソフトを用いた有馬氏らもVR技術を活用したまちづくりを行っている。また、2009年には首都大学東京の渡邊准教授が3Di上でのデザインメソッドを提唱し数々の作品を残している。そして、研究者ではないが、建築、都市計画のデザインをセカンドライフ内で共同作業するstudio wikitectureという建築・都市計画家集団も存在する。本研究は以下の4つの点を同時に備えている為、前例のない研究となっている。1つ目は、実存する街を再現した場で街を再考する社会性の高さ、2つ目は、リアルプロジェクトと連携している実現性の高さ、3つ目は誰でもいつでもどこでも参加出来るソフトを使用している参加可能性の高さ、4つ目はユーザーが成果を出しやすいように合意形成支援ツールを用意する検討性の高さである。1－4．研究構成図1のようになっている。1－5．研究方法最初に現地調査及び、ワークショップの成果等のデータ収集を行なう、これを元にセカンドライフ上に島を購入し、その場所に対象都市を再現する。その後、参加ユーザーを募ってセカンドライフ上でワークショップを行う。その後、セカンドライフ上に再現された空き家の活用方法を選択してもらう．以上の結果と現地で行ったワークショップの結果と比較し、その有効性を検証する。さらに、開発したまちづくりプラットフォーム（バーチャル・プラット・シティ）のアクセス解析も行い、実証実験の結果を検証する。第2章研究対象2－1．本研究の適応対象プロジェクト鶴岡市役所と首都大と地元関係者等が協力し、「鶴岡ランドバンク研究会」という活動を行っている。神明町をモデル地区とし、10年後を見据えた空き家活用のまちづくり計画を策定している。2－2．研究対象都市山形県鶴岡市神明町。鶴岡市は古くからある城下町都市で神明町はその中でも多くの社寺が存在する住宅地。神明町の人口は885名（H22時点）。この内、高齢者は282人（32％）、生産年齢502人（57％）、子供101人（11％）。ここに現在64戸の空き家が存在している。2－3．鶴岡ランドバンク研究会の成果鶴岡ランドバンク研究会は平成23年から始動し、平成24年10月時点で計5回のワークショップを行っており、ここから得たデータを活用し本研究を行っていく。第3章まちづくりプラットフォームの開発プロセス3－1．土地を購入（図2）セカンドライフ上に1SIM（256m＊256m=65536㎡）の土地を購入する。3－2．virtual plat city project発足（図3、表2）本研究を鶴岡ランドバンクに適応させるにあたり、まちづくりプラットフォーム（virtual plat City）を開発する為のプロジェクトを発足した。筆者を全体を統括する代表とし、3つの役割（3Dデザイナー、プログラマー、プランナー）を設定し、合計9名のメンバーを集めた。それぞれの役割は以下の通りである。3Dデザイナー：セカンドライフ内に建物、植栽、道路など都市を構成するオブジェクトを作成する役割プログラマー：セカンドライフ内の独自のプログラミング言語（リンデンスクリプト）を活用し、3Dデザイナーが作成したオブジェクトにユーザーが参加しやすいゲーム性を取り入れる役割プランナー：役割は2つある。1つはHPの作成及び広報。もう1つは参加者がセカンドライフ内に入り、退出するまでのシナリオ及びルールを作成し、まちづくりプラットフォーム（virtual plat city）のエンターテイメント性、有効性、独自性を考える役割。また、本プロジェクトは饗庭伸准教授（都市環境科学研究科）、渡邉英徳准教授（システムデザイン研究科）両2名にアドバイザーとして支援して頂いている。3－3．ミーティング方法最初は実際に会って本プロジェクトの概要を説明し、ミーティングを行った（図4）。次回以降は基本的に、セカンドライフ上でskype、google docsを使いながらミーティング及び作業を行った（図5）。3－4－1．対象都市の再現ルール（表3）セカンドライフ上に神明町を再現するにあたってルールを設定した。なぜなら、実世界と同じ寸法、素材で忠実に再現しても、アバターを介して体験すると、現地と同じ感覚は味わえないことはすでに証明されているからである。そこで、3次元仮想世界の特徴を生かし、情報を簡略化し、空き家活用方法を考える為に有意義な議論が行えるまちづくりプラットフォームを作成しようと試みた。そこで、都市の構成要素を抽出し、表現した。3－4－2．住宅の再現ルール（図6）空き家か居住者がいる住宅かで2つに分けた。居住者のいる住宅は現地でまちづくりプラットフォーム作成の為に撮影した989枚の写真を元に建物の形態のみをできる限り再現し、テクスチャーは全て同じものを使用して表現した．それに対して空き家は989枚の写真と鶴岡市役所の“空き家実態調査シート”を元に建物の形態、外壁のテクスチャー、一部の空き家のみ内装を再現した。ただし、個人情報保護の観点からわざと違う形態の空き家を作っている物件もある。※しかし必ず空き家の位置は変えていない。3－5．セカンドライフ独自の表現（表4）セカンドライフの世界にはリンデンスクリプトと呼ばれる独自のプログラミング言語があり、作成したオブジェクトを回転、自動生成、出現、消滅、色変化など“効果”を与えることができる。プログラミングを行うことで現地でのワークショップではできない表現が可能となり、参加者がより簡単に自分の意見を表現することができる。本研究でもいくつかのスクリプトを作成し、セカンドライフならではの表現にした。今回リンデンスクリプトを用いたオブジェクトは3つである。①鶴岡住民の声鶴岡ランドバンク主催の現地でのワークショップの成果から参考になる意見をセカンドライフ上に表現した「神明町3Di」（現実世界の神明町と区別するため以下こう呼ぶ）と重ねた。そして、ただ重ねるだけでなくつねにオブジェクトが回転するようにプログラムを書いた。②参加者のつぶやきセカンドライフにはチャット機能がついており、参加者が”神明町3Di”をまちあるきした時のつぶやきがアーカイブされていくようにプログラミングを書いた。具体的には“神明町3Di”内に透明のボックスを敷き詰め、その中に入ってチャットを使うと、表3のオブジェクトが生成される仕組みになっている。③空き家活用パターンの選択参加者がまちあるきした上で、空き家を選択すると鶴岡ランドバンク主催の現地でのワークショップで作成した空き家活用パターンが表示される。参加者はその中から最適な空き家活用パターンを選択し、選択するとポイントが加算され最終的に1つの空き家に対してどの空き家活用パターンが多いか分かる仕組みになっている。第4章バーチャル・プラット・シティの運用実験4－1第1回ワークショップ（12／10－1／10）step.1バーチャル神明町を街あるき256m×256mの神明町がセカンドライフ内に再現されている為、その世界を体感するために街あるきする、step.2チャットでつぶやく街あるきをしながら感じたことやアイデアをチャットでつぶやいてもらう。step.3空き家を見つける参加ユーザーにバーチャル神明町の中に再現されている空き家を探してもらう。step.4空き家活用パターンを選択する空き家の上にある球体をクリックすると、4つの空き家活用パターンが出現する。その中から最も良いと思う空き家活用パターンを選択する。4－2第2回ワークショップ（12／22）空き家活用パターン選択ワークショップで得た成果を元に空き家の使い方をシミュレーションする。シミュレーション方法は、4つの空き家活用パターンの中から一番多く選ばれた使い方を実際に再現する。第5章バーチャル・プラット・シティの結果5－1virtual plat cityのHPの解析（図7）2012年12月10日にローンチしたこのサイトは5日間で訪問者数1000人を超え、1週間が経った時には2000PVを超えた。だが、それ以降、訪問者数は下がる一方だった。12月22日に少し増えているがこれはシミュレーションワークショップを行なった日でもあるので、その事が要因と思われる。訪問者数が下がった原因はおそらく2つある。1つ目は本HPはセカンドライフアプリをダウンロードしてもらう為にあるためダウンロードしたユーザーは次回からHPを経由せずに直接セカンドライフアプリからバーチャル・フラット・シティに訪れているからである。もう1つはHPの定期的な更新情報がgoogle MAPの情報のみで定期的に見に来るようなコンテンツではないからである。訪問者の属性を見てみると、初日の訪問者数で1番多かったのが鶴岡市、2位山形市、3位八王子市と本プロジェクトの関係者及びその知人が多かった。そして、最終的には1位山形市、2位渋谷区、3位新宿区、4位鶴岡市、5位八王子市という結果が出た、この5つの地区で全体訪問者数の57.12％を占めている、また、海外から21人の訪問者が来ている。5－2第1回ワークショップの結果（図8）アイデア・意見等に関しては合計702回のつぶやきが確認された。また、選択された空き家活用パターンの数は217回であった。また、選択された空き家活用パターンの中で1番多いのは、“シェアハウス”で次に“コミュニティセンター”、“道路（4－6m）”となっている。5－3第2回ワークショップの結果（図9）22日の時点で1番選択数の多かった空き家番号13をしミューレションする事に決まった。そして、4つの選択肢の中で”コミュニティセンター”の選択数が1番多いため、コミュニティ施設に改修する事に決定した。5－4鶴岡ランドバンクワークショップとの結果比較a．つぶやき比較①現地は住んでいる経験に基づきながら発言しているコメントが多いのに対して、virtual plat city内はそこで体感した時の感覚を元にコメントを残している。②バーチャル・プラット・シティに内の方が年齢層が若い。③バーチャル・プラット・シティ内の発言の方が感想ではなくアイデアが多い。④一方、現地のガリバーマップには現地に住む事でしか分からない貴重な意見もある。⑤現地で開催したガリバーマップでのコメント数よりvirtual plat city内のコメント数の方が多い。b．空き家活用パターンの選択され結果比較（表6）の方が多い。現地では全て空き家の内、半分しか空き家の使い方を決めておらず6棟しか比較できなかった。その内、2棟の空き家の使い方が一致し、残りの4棟は異なる使い方だった。これは、参加ユーザーと現地の住民が持っている情報が異なるという事、参加者の年齢層が異なるという事、バーチャル・プラット・シティと鶴岡ランド・バンクワークショップに参加した人数に大きな差があるという事が原因として挙げられる。5－5virtual plat cityを用いたまちづくり計画策定のプロセス（表5）本研究で開発した新たなまちづくりブラットフォーム「virtual plat city」を神明町のまちづくり計画策定支援ツールとして活用すると次の表のようになる。神明町のまちづくり計画策定プロセスに沿ってバーチャル・プラント・シティの適応可能性について検証していくと、「第1回まちの現状を見直すワークショップ」、「第2回みんなでまちの現状を見直すワークショップ」についてはバーチャル・プラット・シティ内に神明町の街並みが再現されている為、現地の第1回、第2回のワークショップを補完することができる。「第3回空き家の活用方法を考えるワークショップ」に関してもバーチャル・プラット・シティ内で空き家の使い方を1つ1つ空き家活用パターンを用いて選択できる為、現地の第3回ワークショップを補完することができる。しかし、第4回、第5回に関しては、集まった意見、成果物を踏まえて、まちづくり計画案の作成段階に入るため、現在のバーチャル・プラット・シティのシステムでは困難だと考えている。また、今回現地のワークショップではまだ行われていないがまちづくり計画の実行段階になった際に空き家を再利用／除去する場合でもバーチャル・プラット・シティ内でシミュレーションする事によって設計案の具体化を支援することも可能である。実際、現地のワークショップでは各ワークショップにおいて約20名ほどの参加者しかおらず、ランドバンク関係者を除くと各回5－10名程しかいない。その為、バーチャル・プラット・シティによって、より多くの意見を獲得し、まちづくり計画をより住民の意見をとりこんだものにすることが可能になる。第6章結論6－1結論課題①文字だけでなく、画像や各種ファイルなど、空間的に分かりやすい情報等を盛り込むみ様々な情報がマッシュアップされたコンテンツを作成すること結論①セカンドライフを活用し、現地のワークショップを通して得た成果を活用して街並みを再現し、空間的に街並みを把握できるように再現した。また、掲示板として街の風景写真、まちづくり目標、google mapを掲載し、空き家の活用パターンを見れるようにし、様々な情報がマッシュアップされたコンテンツを作成する事に成功した。課題②人のコミュニティをメインコンテンツにしてしまうと、流行廃りの影響に流されやすい為、流行り廃りに流されにくいようなシステムを開発すること結論②メインコンテンツを”再現された街並み”、”再利用をシミュレーションした空き家”にする事で、SNS的にユーザーのアクティビティに影響を受けにくいシステムを開発した。課題③ユーザーにとって複雑ではなく簡単で分かりやすいUX（ユーザーエクスペリエンス）を提供すること。結論③誰でも簡単に参加できるように”移動”、”つぶやき”、”選択”の行為しか求めないプログラムを開発した。課題④仮想世界への導入部分となるHPを作成し、ソーシャルメディア等を活用し参加ユーザーを獲得すること。結論④HPを作成し、ソーシャルメデイアで広報を行い、数多くのユーザーを獲得した。課題⑤空間制約から解放されるだけではなく、非同期でものコミュニケーション可能な時間的制約から解放されるシステムを開発すること結論⑤”つぶやき”と”選択された空き家活用パターン”がアーカイブされていく事で、同じ時間帯にログインしていなくても参加者の痕跡が残されており、この街でどういうコミュニケーションが発生したか把握できるようなシステムを開発した。課題⑥参加ユーザーを支援するファシリテーターを用意すること結論⑥人的資源が枯渇していた為、常時ファシリテーターを用意する事は出来なかった。課題⑦ユーザーが精神的充足感のある「感銘」するようなコンテンツを提供すること結論⑦本研究で行なった対策は2つある。1つ目は住民の声を常時回転させ、常に動的な状態にさせた。2つ目は、つぶやき、クリックによる空き家活用パターンの出現によって、ユーザーにインタラクティブな空間を提供した。課題⑧「コンテンツ志向の空間」の概念に基づき、コンテンツが外部から視認可能で、ダイレクトアクセスでき、それによってコンテンツが「空間化」するようなシステムを開発する事。結論⑧外部から視認可能な空き家をダイレクトアクセスし、空き家活用パターンが立体的に出現するシステムを開発した。6－2今後の課題本研究を行なうことによって分かった今後の課題を提示する。新たな課題①：ファシリテーター問題困った時や疑問が生じた時にいつでもコミニュケーションが取れる存在としてのファシリテーターが必要。新たな課題②：1/1スケール問題。セカンドライフはデフォルトでアバターが2m前後の身長に設定されているため、現実により街を小さくかんじてしまう。新たな課題③：オブジェクトのクオリティ問題今後の課題としては、セカンドライフの製作ツールの操作能力の向上、CINEMA 4Dを活用した再現方法の検討が求められる。新たな課題④：人気のなさ問題人が居ない街は寂しさを感じてしまうという意見が多かった。ファシリテーターもしくは、人が常駐していなくても活発度合いが保たれる仕組みが必要である。新たな課題⑤：インフラ問題未だにストリーミングに時間がかかり参加したくても重すぎて動作が正常ではないユーザーが多数見受けられた。6－3実用化に必要な条件①自治体の事業にして専門の民間企業を巻き込む予め予算を確保した上で、3Dモデリング専門の民間企業、webプログラミングを専門とした民間企業を巻き込んでビジネスとして成立させる必要がある②リアルプロジェクトとの連動本研究の分かった事の1つはまちづくりプラットフォームだけでは既存のまちづくりプロセスを全て代替する事は不可能だという事である。そこで、現地で様々な関係主体を巻き込み現地でワークショップを行いつつ、インターネットを用いて現地に行けない住民層を参加させるインフラとしてバーチャル・プラット・シティを活用する必要がある。③イベントを行なう本プロジェクトにムーブメントを起こすきっかけをつくる為に実際に現地の公民館やイベント会場で巨大スクリーンを前に全員がラップトップを使ってセカンドライフにログインする等のイベントを行なう事も有効である6－4その他地域への応用可能性本研究では、山形県鶴岡市神明町でのケーススタディを行なった。だが、バーチャル・プラット・シティでは次のような地域でも適応可能だと考えている。1．地理的要因によりその地域に住んでその地域を利用する人が物理的に集まるのが困難な場合住んでいる人も利用している人も同一人物であるが、大きな地域で一つの場所に集まるのが困難な場合、バーチャル・プラット・シティの活用は有効であると考えている。2．住んでいる人と利用している人が異なる場合2－a．都心の街例えば、渋谷や下北沢などの都心の街は土地の持ち主と利用者は異なるため市民と協働でまちづくりを行ってもその場に現れる市民は普段から利用している人のマスな意見ではない。よってバーチャル・プラット・シティを用いる事で利用者の意見を取り込む事が可能になる、2－b．地方の観光都市同じく、住んでいる人と利用している人が異なるため、バーチャル・プラット・シティが有効になってくる。しかし、留意点としてデジタルデハイドの問題があり、いかにバーチャル・フラット・シティを普及させていくかも鍵になる。つまり、逆に住んでいる人と利用している人が同じである程度容易に集まれる場合はメディアを用いずリアルな空間で議論した方が意見形成は容易であるとも言える。, 首都大学東京, 2013-03-25, 修士(都市科学)