1. Study of Strategies for Damage of Neospora caninum in a farm
- Author
-
Tadashi Funada, Fumiyo Miyamoto, Shozo Takayama, and Teruo Nishimura
- Subjects
Veterinary medicine ,biology ,biology.organism_classification ,Neospora caninum - Abstract
平成13年4月, A農場 (酪農, 飼養頭数: 220頭; 長野県) で, 流産した牛1頭にネオスポラ抗体が確認されたため, 浸潤状況と損失を分析し, 対策を検討した。その結果, 搾乳牛130頭を調査し, 陽性率は24.6%で全国平均 (推定) 5.7%より高かった。A農場での伝播の主因は水平感染と考えられたが, 陽性牛の一部に血縁関係が認められ, 垂直感染の関与も考えられた。流死産率は陽性群と陰性群に有意差はなく, 流死産を繰り返す牛もなかった。観察された全ての流死産のうちネオスポラを原因とするものは1.8%と推定され, A農場全体の年間損失額は57, 317円と推定された。以上のことから, 早急な陽性牛淘汰は経済的に困難であると判断されたため, 陽性牛を後継に残さないことを目的とし, (1) 陽性牛でのF1生産, (2) 流死産発生時の抗体検査, (3) 後産および流産胎子の後始末の徹底, (4) 犬科動物と牛との接触防止, を指導した。一般にネオスポラ感染牛は流産を起こしやすいとされるが, 本症例におけるA農場での損失は少なかった。経済的に効果的な対策の実施には, 個々の症例ごとに十分な浸潤状況と損失を分析し, 慎重な対策を検討する必要があると考えられた。
- Published
- 2002
- Full Text
- View/download PDF