1. Study of evaluation parameters of knee joint function focusing on the redundancy of walking motion
- Subjects
日本品質保証機構 ,3D Acceleration Sensor ,膝伸展 ,Acceleration ,骨盤挙上動作 ,stabilometer ,Impulse ,適合検査 ,固有振動数 ,Integral Calculus Analysis ,one step walk ,衝撃力 ,Buffering Function ,運動器機能評価パラメータ ,Impact forces ,緩衝機能評価パラメータ - Abstract
厚生労働省では、平成26年度に健康・予防元年と題し健康寿命の延伸が必要であるとの報告がなされ、整形外科学会でも運動器症候群(locomotive syndrome)を提唱し喚起している。健康寿命を延伸するには、自力で「立つ、歩く」の日常動作を維持することが重要であり、日常動作を難しくする運動器障害に多くみられるのが、関節疾患である。その中でも変形性膝関節症は珍しくなく、この治療には保存療法と手術療法があり保存療法で効果が得られない場合に手術療法が行われ、保存療法は痛みの発生前、または発生初期に施すことで大きな効果を上げることが既に知られている。しかし、多くは症状が進行した状態で受診し治療時期を逸する。また、自身の健康状態を把握せず、過度な運動を行い悪化しかねない。先行研究では、加齢に伴う軟骨基質の弾性低下が、軟骨細胞への力学的負荷増大の助長をまねき、その治療には、早期発見、早期治療が肝要で、MRIが有効であると報告され、近年では体軟部組織の粘弾性を計測する研究が行われ実用化が期待されている。しかし、医療費、利便性からMRIを関節疾患の前期、初期で使用することは殆どない。また、他の先行研究報告によれば、「変形性膝関節症には明らかな原因がなく加齢に慢性的な機械的刺激が加わって発症する頻度が高い」としていることから、我々は、人間の冗長性により生じる、歩行ごとの左右の歩幅、歩隔、ケーデンスなどのばらつきと日常生活環境や長年の歩き方の癖や加齢に伴う運動器の劣化によって左右の膝の負担に偏りが生じ変形性膝関節症に陥ると考え、検診で使える膝の状態を評価するパラメータの構築を目的とし、膝に生じる振動(加速度センサから得る値)と足底面にかかる荷重(重心動揺計から得る荷重値)から両膝にかかる負担量の差異と振動の位相差を元に運動器機能評価パラメータの創出を試みた。本研究から、平地歩行、階段昇降動作において、歩ごとの冗長性を認め、平地・階段動作から抽出した運動器機能評価パラメータ(S.E.P)と、骨盤挙上動作で抽出した緩衝機能評価パラメータについて、臨床的意義の確立を条件に膝の状態を評価するパラメータとしてなり得るとの知見を得た。
- Published
- 2018