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This paper treats with the practical problems of the use of simple dust monitoring system by using the smartphone at the open excavation site of the metro station construction site and suggests the new dust monitoring system by network camera which is widespread use at the tunnel construction site. To eliminate the noise from the influence of the black panel, image processing algorithm has applied. In addition, new feature value is introduced to continue the stable dust density measurements. The laboratory tests show that proposed system has higher accuracy than the current system and satisfying performance as a simple dust measurement system. スマートフォンを用いたトンネル構内簡易粉じん濃度測定法を, インドの開削現場での明環境下で適用したところいくつかの問題点が生じた。本論文では, 近年トンネル切羽作業監視用として急速に普及しつつあるネットワークカメラを用いて, 従来のスマートフォンによる写真撮影では問題となった背景の影響を動画の時間差分処理により除去するとともに，二値化処理，モルフォロジー処理および領域分割などの画像処理により，高精度な粉じん粒子抽出を実現した. そして，粉じん濃度の特徴量として画面内における粉じん散乱光部分の面積と個数を新たに採用することで, 従来法より安定した粉じん濃度測定法を確立した. 室内実験の結果, 提案手法は従来法と比べて粉じんの抽出性能だけでなく、十分な精度も合わせて有していることを確認した.

トンネル坑内での作業に対し，厚生労働省ではガイドラインを設置し，粉じん濃度の管理の義務化を進めており，ますます粉じんの管理が厳しくなってきている．従来，粉じん濃度計測には光散乱式デジタル粉じん計が一般的に使用されている．しかし，測定に時間がかかることや測定機毎に換算値を求める必要があることなどから，迅速かつ簡単に計測する方法が望まれている． そこで，坑内をフラッシュ撮影すると浮遊する粉じんが写真に白斑として撮影されることを利用し，市販されているカメラのフラッシュ撮影写真から粉じん濃度計測を行うことを考案した．本研究では，簡易に写真から浮遊粉じん量を測定する方法論を現場計測結果と比較し確立した．その結果，解析結果と粉じん濃度にはよい相関関係が見られ，提案方法の適用性が検証できた．

増大する交通量に対応するために，1960年代に在来工法で建設した2車線道路トンネル（天王山トンネル）を拡幅することとなった．本トンネルの建設はかなりの難工事であったことから，慎重な調査，計画をもって拡幅工事に臨んだが，結果的には地山の変位も小さく収まり，十分な安全性を確保しながら工事を終えることができた．この背景には，トンネル周辺に形成されたと思われるグランドリングとその構造特性の経時変化が大きく関わっていると考えられる．本論文では，拡幅工事に先立って行われた様々な調査，試験，また工事中に行われた変位計測の結果等を分析することにより，地山のゆるみ域，グランドリングなどの構造特性が既設トンネルの拡幅・改修工事にどのような影響を及ぼすのかについて考察した．

都市NATMを採用する場合，地表面沈下を抑制するための補助工法として，パイプルーフ工法がしばしば用いられる．パイプルーフ工法は，沈下抑制を目的とした先受け工法の中でも，特に高い沈下抑制効果が期待されているにもかかわらず，その抑制効果に着目した設計法が確立されていないのが現状である． 本論文では，都市NATMを採用したトンネルを安全かつ合理的に施工するために，パイプルーフ工法の沈下抑制効果の発生メカニズムについて三次元数値解析により明らかにする．そして，パイプルーフ鋼管の支点部の沈下が地表面沈下に大きく影響することを示した上で，その支保メカニズムを表現する弾性支承上梁モデルとその設計パラメータの設定方法を提案する．

Cultivation of human power is considered necessary to grow up students to the skilled experts and to oppose the leaving tendency from fields of science and technology. We have developed the educational tool “Step Up Note for Students” to assist students in analyzing themselves through filling up the note and to find out their objects to fertilize their university lives. We are also examining various attempts to make students using hands, because young people are mostly insufficient to train hands through works in the modern life-style. This may provide possibility of adapting student-ability to the most progressive technology in the future.

垂直縫地ボルトの地山補強機構を解明するため，地表面傾斜がゆるく，土被りの小さいトンネル坑口部で施工された垂直縫地ボルトの計測結果を詳細に分析し考察した．その結果，緩傾斜で土被りの小さい地形条件下における垂直縫地ボルトは，主にボルト軸方向の引張りや圧縮ひずみに抵抗する補強材として機能し，トンネル掘削による応力再配分によって生じた荷重を，地山を破壊することなく切羽前方やトンネル側部に伝える．また，トンネル側部では，縫地ボルトの根入れ先端部付近で，地表面沈下量を増加させる鉛直方向の地中変位が発生していることから，縫地ボルトの根入れ深さについて注意が必要であることがわかった．本研究では，トンネル周辺地山の挙動計測結果から新しい地山補強モデルを提案する．

土被りの薄い都市部や，脆弱な地山への山岳トンネル工法の適用は，地山状況の変化に即応したさまざま補助工法の開発・採用により成し遂げられてきた．加えて，広範囲の地山条件に対応できる種々の補助工法の積極的な採用によってトンネル切羽の自立性確保が実現可能になり，トンネル施工の安全性も高くなっている．しかし，補助工法の採用が結果的にトンネル施工コスト増大の一因になっているという見方もその一方にあり，適切な補助工法採用の判断根拠の確立が求められている．本ノートでは，一般には支保選定のために実施される切羽観察結果と実際に採用された補助工法との関連性を数量化理論に基づく判別分析により分析し，切羽観察結果から最適な補助工法を判断するシステムを提案する．

一般に無筋アーチ構造として建設されるトンネルの覆工コンクリートの健全度評価には，生じたひび割れの幅・長さ・密度だけでなく，（ひび割れの）方向性や発生部位が重要となる．また，現在の諸基準では，一定のランク分けによる健全度評価法が採用されているが，将来の合理的な維持管理計画を立案する上で，客観的且つ定量的に評価できる指標が望まれるものと思われる．そこで，本研究では岩盤工学等で用いられる“クラックテンソル”を参考に，覆工コンクリートの健全度評価用に改良した新指標(TCI)を考案した．本論文はこのTCIの特性を明らかにするために，いくつかのモデルケースに対して試算するとともに，実トンネルのデータに用いることで，TCIの適用性について検討を試みたものである．

大変形の発生が想定される押出し性地山でのトンネル建設において, トンネル技術者は個々の経験に基づき地山を評価し, 考えられる大変形の発生要因に対して, 支保構造や掘削工法などを経験的に取捨選択しているのが実情と思われる. 支保構造や掘削工法による変位抑制効果については, 数値解析的手法などによる幾つかの提案は散見されるものの, 押出し性地山での支保構造や施工方法などの具体的な適用基準や選定基準は明確でなく, 結果として難工事を強いられる場合が少なくない. 本論文は, 公表されている押出し性地山のトンネル施工事例をできる限り収集・整理することで体系化を図り, 事前の地質情報からトンネル施工時の地山の押出し性を判断・評価する基準および施工方法の設計方針を提案するものである.

従来, 離隔距離1m程度の山岳トンネル工法による都市部の近接トンネルにおいては, 中央導坑を掘削し, 両トンネル間にセンターピラーを構築するめがねトンネルが適用されてきたが, 工期・工事費などで利点の多い無導坑方式めがねトンネルも机上検討の対象となっていた. しかし, 施工実績が無いために, 作用荷重や挙動など未解明な点が多く, 長い間採用されることはなかった. そのような中, 筆者らは下到津トンネルにおいて, めがねトンネルと2種類の無導坑方式めがねトンネルの掘削を試みることができた. これら3種類の施工法はそれぞれ長所・短所もある. 本ノートでは, 支保工の応力計測結果から, 施工法による作用荷重などの違いを比較して, 3種類の施工法の特徴を明らかにし, 工法選定の際の参考資料を提供する.

不良な地山におけるTBM掘削時の主要支保部材として開発したTBM用鋼製ライナー (ロックライナー) の適用範囲の拡張を図る目的から, ロックライナーにコンクリートを併用するRCロックライナーの開発を行った. 本報告は, RCロックライナーの設計法の確立を目的に実施した実大載荷試験から得られた知見を示すものである. その結果, 主桁部を鉄筋とみなしてRC断面計算を行ったところ, 理論計算値は実験値によく整合し, 耐力向上・変位量抑制効果が確認された.

本研究は, 山岳トンネル補助工法として多用されているウレタン注入工法の設計に関する基礎的資料を得るために, 特に異なる地山条件下でのウレタン系注入材の固結特性に関して検討を試みた. 本研究では, 先ずウレタン系注入材の粘度と地山の透水性に着目し, 固結形態に関する機構について考察した. また室内試験では, 模擬地山の透水係数およびウレタン系注入材の発泡倍率をパラメータとした実験を実施し, 固結形態の観察を行った. さらに様々な地山特性を有する環境下において, ウレタン注入実験を試みた. その結果, 地山の透水性によりウレタン系注入材の注入・浸透過程は異なり, 生成される固結体の形状も異なることが確認され, 地山の透水係数を用いることで固結体の形状を概略的に予測できることが判明した.

As complexity and unpredictability exist in nature, careful observations and interpretations of what can be measured in the field become prerequisites for geotechnical engineers to conduct safe and economical construction works. Observational methods have evolved from basic visual procedures, conducted on site, to sets of sophisticated procedures using modernized measuring instruments and computer-based back analysis techniques. From the wide range of procedures available for modern tunneling engineering in this field, the present paper tries to address a series of back analysis procedures in which the identification of strain distribution is sought as the primary goal in order to achieve a solid and reliable routine of observations and data interpretations. The discussion starts by identifying structures and flows of forward and back analyses; and it is then expanded to cover several back analysis procedures, including application examples, formulated for linear and non-linear material behaviors. The current status and limitations of the procedures available are also discussed.

膨張性地山など大変形の発生が予測される地山でのトンネル建設において先進導坑を採用する場合, 導坑の支保効果として拡幅掘削時の切羽安定効果やいわゆるいなし効果などが期待されることが多い. 筆者らは高速道路トンネルの建設において, 導坑の有無, 拡幅切羽からの先進距離, 導坑形状や支保剛性などを変更した5通りの施工ケースを試行した. この施工を実スケールの実験的研究と位置付け, 施工ケース毎に計測データなどを比較・検討した結果, 既往の研究では必ずしも明確にされていない導坑の支保効果として, 拡幅掘削時の (1) 切羽安定効果, (2) 変位抑制効果を確認した. また, 導坑によるいなし効果とは変位抑制が主な効果で, 作用土圧軽減効果は少ないことなどを確認した.

本研究は, 山岳トンネル補助工法のひとつとして普及しているウレタン系注入材のうち, 主として水ガラスから構成されるシリカレジンの開発プロセスを報告するものである. 特に, その開発にあたり, 数多くの材料を駆使して開発に至った経緯を紹介しながら, シリカレジンの基本的性質を示すことを目的としている. さらに, 将来の土木材料開発の一資料となるべく, 材料開発プロセスにおいて, どのような工学的判断に基づく評価を行ったものかを提示するものである.

II期線トンネルの支保設計を行うためには, 双設トンネルとして建設される高速道路トンネルの特徴を生かす設計手法の開発が望まれている. しかし, これまでの事例をみると, I期線の施工データを一部活用し, II期線の設計・施工を実施した事例は数例みられるが, 明確な設計手法として確立されたものはない. 本研究では, 蓄積された多くの双設トンネルの実施工データを比較し, 独自の定量化を試みることで, より合理的なII期線トンネルの支保設計の考え方の検討をした. その結果, II期線トンネルの支保設計は, I期線トンネルの施工支保ランクを基本とするものの, 若干軽めの支保規模を計画し, 情報化施工を実施することにより合理的な施工が考えられることを示した.

北陸新幹線飯山トンネルでは, 膨張性地山に対処するため, 施工時差をおいて支保を二度に分けて施工する多重支保工法を採用した. これは, 膨張性地山のトンネルではある程度坑壁の変位を許容した方が土圧は小さくなること, NATMでの支保は閉合した吹付けコンクリートが最も有効に働くこと, の2点を最大限生かそうとするものである. 施工ならびに計測の結果, たとえ一次支保が破壊しても閉合した薄肉の吹付けコンクリートを主要部材とした二次支保をその内側に施工することで十分変位の収束を図れることが確認できた. また, FEM解析により二次支保の設置時期について検討した結果, トンネル直径の3.5倍程度切羽から離して施工することが支保全体の健全性を保つうえで有効であるとの結論を得た.

This paper deals with a method of monitoring the stability of underground openings during the construction. The method is based on the interpretation of displacements measured in the field. The strain evaluated from measured displacements is compared with the critical strain of materials. If the occurring strain is still smaller than the critical strain, the stability of openings is guaranteed. Normalized initial stress is used for determining the strain distributions around the openings. Back analysis plays an important role for obtaining the normalized initial stress from measured displacements. In order to make a quick interpretation of field measurements, microcomputers are generally placed at construction site so that the back analysis can be performed right after taking measurements.In this paper, the mathematical formulation of the back analysis for the use of microcomputers is shown together with some results of case studies.