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本研究は、医療安全教育プログラムを受講した学生が遭遇したヒヤリハット体験の振り返り学習の分析からリスク感性の実態を明らかにし、プログラムの検討を目的とした。その結果、学生は臨地実習中37件のインシデント・アクシデントを体験し、インシデントが26件、アクシデントを体験した者が11件であった。インシデンにおいて自身が体験の当事者である7名の場合、事後に振り返り学習「あり」6件、「なし」1件、他者が遭遇した体験の場合、事後に振り返り学習「あり」13件、「なし」6件、アクシデントでは、自身が体験の当事者であるとき振り返りをしたのは2件、しなかったのは1件であった。当事者が他者の場合、振り返り「あり」6件で、「なし」は2件であった。学生は、ヒヤリハット体験後、7振り返りを、自発的に実施していたのは23件で、【繰り返さないため】、【妥当性の検討】することによる再学習や【事故後の対処法】の検討を動機としていた。しかし他動的に【教員に指導】を受けたことで振り返りを行う学生もいた。このように実習中のヒヤリハットを体験者の所在に限らず振り返りをする学生と、振り返りを実施しない学生とに分かれることや振り返りは自発的に実施され、その動機はヒヤリハットの再発防止という医療チームの一員としての自覚を獲得する学習機会として捉えている実態が明らかになった。今後は学生の医療安全意識を現場感覚で促進し学習段階を考慮した継続的な教育プログラムの必要性が示唆された