Search

近年，ヒトの脳は，特定の機能を持つ部位間で相互に情報をやり取りしながら，協働的に働く機能統合システムとしてとらえられるようになった。そしてヒトの意識や行動決定などの認知活動も，脳部位間の結合による機能的なネットワークから生み出されると考えられるようになってきている。筆者と専攻科生は，2020年度の専攻科修了研究において，研究対象者の脳波データを用いて，対象者ごとにこの協働的な脳部位間のもっともらしい有効結合モデルを推定し，その結合モデルを視覚的に理解できるようにグラフィック化した。しかしながら，脳波には個人差があるため，このグラフィック化された結合モデルからは，対象者に共通する一般的な結合パターンは見出せなかった。今回，「グラフィック化された結合モデルから一般的な有効結合パターンを見出す」という課題の解決に，テキストマイニングを適用したところ，その有用性が認められた。