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本研究は，中国人日本語学習者(N=83)による一時性と重複性の動作を示すオノマトペの理解を検討した。オノマトペの理解テストは12問で構成され，2種類（一時性および重複性）のオノマトペの理解を測定した。また，共起する動詞の種類は，サ変動詞，自動詞および他動詞の3種類からなる。語彙能カテストの得点を用いて，83名の学習者を語彙能カの上位群と下位群の2群に分けた。分類木分析でオノマトペの理解の正誤における背景諸要因を(1)語彙能力（上・下位群），(2)共起する動詞（サ変動詞，自動詞，他動詞）および(3)オノマトペの種類（一時性および重複性）の3つの説明変数で予測した。その結果，語彙能力が重複性のオノマトペの理解に強く促進した。それに対して，一時性のオノマトペは，共起ずる動詞の種類が最も強い要囚となったが，語彙能力の影響はその次であり，共起する動詞の種類と語彙能力との相互作用がみられた。, The present study investigated the comprehension of temporal and duplicative movement onomatopoeia by native Chinese speakers learning Japanese (N=83). The onomatopoeia comprehension test consists of 12 questions divided into two types of onomatopoeia, temporality and duplicative movements, and three types of co-occurrence verb (suru-verb, transitive verb and intransitive verb). Based on a Japanese lexical knowledge test, 83 learners were divided into two groups of a lower/higher lexical knowledge. A classification tree analysis was utilized to predict the accuracy of onomatopoeia understanding according to three independent variables, (1) lower higher lexical knowledge groups, (2) three types of co-occurrence verb, and (3) two kinds of onomatopoeia. The result indicated that lexical knowledge significantly contributed to understanding of duplicative movement onomatopoeia whereas comprehension of temporal movement onomatopoeia varied depending on the type of co-occurrence verb. Differing from duplicative movement onomatopoeia, temporal movement onomatopoeia showed interaction of the types of co-occurrence verbs and learners' lexical knowledge.

中国は2014年に「新常態」と呼ばれる経済発展の新たな状態へ転換した。新常態へ転換した後，省エネと再生可能エネルギーの利用が引き続き進められ，第12次5カ年計画の省エネと再生可能エネルギー利用量が目標を達成したが，エネルギー総消費量と地熱の利用量は未達成の状態である。特に地熱の利用は，2010年と比べて進んでいない状態である。新常態へ転換した後中国省エネ・削減政策が強化され，2016年からスタートした第13次5カ年計画は今後の省エネ・削減方針を示し，その中で最も重要な目標は中国で初めてエネルギーの総消費量に上限を設けたもので，中国政府の省エネ・削減への決意がみてとれる。新常態へ転換した後中国省エネ・削減融資ルートについて，中国再生可能エネルギーの融資モデルは主に再生可能エネルギー発電普及のための補助金により，社会投資を誘致することへ転換することが予測できる。中国エネルギー利用効率の向上への融資モデルは主に政府が主導する形から民間からの資金へ変化することが予測できる。新常態へ転換した後中国がいくつかの新しい政策を打ち出し，都市化の進展とインフラ建設，それに伴うサービス業の発展，「サプライサイドの構造改革」，「インターネット＋」と産業の融合，イノベーションの普及などが挙げられる。インターネット技術と各産業の融合により産業はスマート化され，省エネ・CO2排出削減に好ましい影響をもたらすと考えられる。 省エネ・削減が順調に進められる一方，電力需要量の減少とともに再生可能エネルギー発電量の電力廃棄が再び問題視される。風力も太陽光も，電力需給が供給過剰に陥っている地域，特に東北や西部では今後，再生可能エネルギー発電の成長が制約されることは避けられない。新常態に入ってから経済成長スピードの低下や重工業依存の構造が改善されることなどにより電力需要の伸びが大幅に上昇する可能性は少ないと考えられ，再生可能エネルギー発電と送配電系統への接続の課題が残される。

中国の小型木造船サンパンは、船体を仕切る隔壁と竜骨を基本に建造された隔壁構造を持つ船で、中国の沿岸では、主に漁船や艀として用いられた。現在でも一部地域では木造のサンパンが稼働し、各種の漁撈に用いられている。 今回の共同研究では、福建省泉州市および福州市をフィールドとした中国の伝統的木造船調査を実施した。 泉州市では、泉州海外交通史博物館で資料調査を行った。同館では、館所蔵の福建省厦門市のサンパン、湖北省の鵜船「鸬鹚船」とタライ舟「盆划子」について略測作業を実施した。また、泉州市恵安県在住の船大工張国輝氏から、サンパンの部材名と建造工程について聞き取り調査を実施した。 木造のサンパンが今も現役で稼働している福州市では、福青沃造船所でサンパンなどの木造船および造船用具の調査を実施したほか、造船所の社長、陳楊坤氏からの聞き取り調査を実施した。さらに、現在も木造のサンパンを建造している福青沃造船所近隣の造船所にて、サンパンの造船工程の調査を実施することができた。また福州市では、三坊七巷福船文化館で同館に展示されている木造船関連資料を調査した。 本稿では、中国の小型船サンパンの構造と建造技術について、略測図および聞き取り調査の成果をもとに紹介する。あわせて、今回の調査で記録することができたサンパンの建造工程について、そこで用いられている各種の造船用具と造船技術を含めて報告する。 現代福建省のサンパンは、4枚の隔壁を基本構造とし、そこに外板材を接合した構造をとる。接合面の加工や調整はほとんど行われておらず、接合部に油灰と呼ばれる充塡材を詰め込むことで水密性が保たれる。油灰とは、桐油と石灰を練り合わせ、さらに麻や竹の繊維を混ぜ込んだもので、中国船においては船材接合部の水漏れ防止のために必要不可欠な存在である。中国の造船技術において、接合技術の根幹を成すのは充塡材の油灰であり、和船における材と材の摺り合わせや木殺しといった技術は確認できなかった。, Article

世界一のCO2排出国である中国は,気候変動の影響やエネルギー供給の制約などを解決しようとして,様々な削減策を打ち出した。本論文は中国が実施している削減策を検証し,削減策が全面的かつ高エネルギー消費産業に重点を置くことと,現時点で省エネルギーと再生可能エネルギーの代替を柱としてCO2の排出を削減しようとしていること,この二つの結論が得られた。しかし,削減策の数が多いものの,中国では,CO2排出の回収・隔離のような直接的なCO2削減策の実施に関しては遅れておる。さらに,産業構造の転換や,投資,消費,輸出という中国の経済成長を牽引している成長方式,中央政府が策定した政策施行の不徹底的事実,大型国有企業の抵抗など課題にも直面している。CO2の削減,そして温暖化問題に対する他の解決策の成功は,世界が一丸となって協力する必要がある。中国に対して,石炭ガス化複合発電（IGCC）など特に技術レベルが高く,エネルギー生産性が高い日本からの協力が非常に重要である。二国の協力により,win-winの効果が得られ,より一層発展ができると考えられる。

現在、発展途上国、特に人口増加の著しい中国やインドなどにおいては、経済発展に伴いエネルギー消費量が大きく伸びている。このような中で、長期的なエネルギー制御と有効利用のためには、輸送エネルギーを消費する貨物輸送量に影響を与える要因を明らかにし、その適切な制御について検討する必要がある。 本研究では、中国の行政省（日本の県に相当）レベルの人口・産業分布等の要因と鉄道貨物輸送量との関係を実証的に分析することを目的とする。鉄道貨物の輸送量を影響する要因を因子分析により抽出し、3 つの因子の安定性を確認した。因子分析の結果を踏まえ、重回帰分析を施し、鉄道貨物の輸送量を影響する要因を解明した。今後の課題としては、今回の因子分析と鉄道貨物の輸送量モデルの結果を踏まえ、将来予測を検討し、鉄道貨物輸送エネルギーを考慮したエネルギーの側面から国土とエネルギー政策にアプローチすることに関連する研究をしていきたいと考える。, Nowadays in developing countries, especially in China and India, their population is increasing remarkably; meanwhile their consumption in energy is also increasing tremendously with the development of economy. Under such circumstances, for the long-term control of energy consumption and more efficient use of energy, the research on the factors effecting on the freight transport needs to be conducted. This paper takes the provinces in China as study objects and aims to reveal the primary factors that have an influence on rail freight. That is to say, the purpose of this study is to analyze the relation between the distribution of population, industry and the rail freight etc, in China. As the result, the three factors are revealed to be stable through studied period. Furthermore, based on the results of factor analysis, this paper has discovered the factors that have an influence on rail freight by multiple regression analysis. In future, based on the model, from the side of railway freight transport energy to evaluate the national land and energy policy is a subject for future research.

This paper uses LMDI (log-mean divisia index) model and analyzes the characteristics of energy-related CO2 emissions over 1990-2009 in China. The results show that after 2001, the emissions increase rapidly, regional emissions are remarkable, and 70% of the emissions are due to coal consumption. Then the paper analyzes the background of those emission characteristics. Finally the paper analyzes the change about CO2 emissions reduction policy, finds the unbalance in the local government's fiscal and the central government's unwisely decision are the main causes of big emissions.

Energy saving and emission reduction have become an important task for economic globalization and social development. As one of important economic instruments, environmental taxes often are used to solve the environment problems. Some countries have paid more attention in establishing the environmental taxes system more than before. Environmental taxes policy has been implemented in developed countries and has achieved some success. Environmental taxes system is the next breakthrough in Chinese environmental policy reform. Compared to other environmental policies, such as pollution charge and emission trading, economic and environmental benefits of environmental taxes are evident. The condition of implementing environmental taxes in China is not mature, but due to its significant function, China should implement the environmental taxes gradually and convert into the tax-based system ultimately.