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低級脂肪族アミン及び置換フェノール類を塩化4-ジメチルアミノアゾベンゼン-4'-スルホニル(Dabsyl-Cl)と反応させ,又脂肪族アルデヒドはダブシルヒドラジンと反応させダブシルヒドラゾンとして共鳴ラマン効果が期待できる誘導体に変換した.これらの誘導体は逆相セミミクロカラム(μS-Finepak C18,1.5mmφ×250mm)で分離後,その溶離成分をアルゴンイオンレーザー488.0nmの発振波長を用いて1136cm-1で共鳴ラマン検出を行った.レーザー出力,スリット幅,スムージング数など検出感度に影響を与える要因の検討を行い,ラマン検出の最適条件を調べた.その結果,従来の内径4,6mmのカラムを使用したLC/ラマン検出と比べて検出限界は絶対注入量で20倍向上し,2ngまで検出可能であった.

長鎖脂肪族カルボン酸の誘導体化試薬として,Arイオンレーザーの励起光に近接した波長領域に吸収を示す4-ニトロ-4'-N・メチル,N・β-ヒドロキシエチルアミノアゾベンゼンを合成した.カルボン酸は二塩化オキサリルで酸クロライドとした後,誘導体化試薬を用いてエステル誘導体とした.これらの誘導体は逆相セミ・ミクロカラムで分離後,その溶離成分を1343cm-1のラマンバンドに設定して共鳴ラマン検出した.その結果,ラウリン酸では5～200ppmの濃度範囲で検量線は直線を示した.20 ppmでの相対標準偏差(n=5)は4.4%と良好であった.