1. Effects of smoking on alveolar macrophages and the restoration mechanisms after smoking cessation
- Author
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NAKATA, Honami and TAKEUCHI, Minoru
- Subjects
肺胞マクロファージ ,回復 ,Restoration ,Smoking ,Reactive oxygen ,喫煙 ,活性酸素 ,喫煙中止 ,alveolar macrophages ,免疫機能 ,Smoking cessation ,immune function - Abstract
喫煙による肺胞マクロファージ(AM)への影響と喫煙中止後の回復機構について,マウスに10日間喫煙させ,喫煙中止後の影響を検討した。AM の細胞数は,喫煙により有意に増加したが,喫煙中止後8週目で減少し,非喫煙群と同程度の回復が認められた。細胞形態は,喫煙により細胞の肥大化や空胞形成などの内部構造の複雑化が認められたが,8週目で回復した。超微形態構造は,喫煙により偽足の消失と細胞内に封入体が観察され,8週目でも封入体が残存し,回復は認められなかった。細胞内自家蛍光は,喫煙により増強したが,4週目,8週目で徐々に回復傾向が認められた。CD11c表面抗原発現は,喫煙による影響は認められなかった。TNF-α mRNA 発現は,喫煙により有意に減少し,その後4週目,8週目でも回復は認められなかった。活性酸素(H2O2)産生は,喫煙により有意に増加し,4週目,8週目でも回復は認められなかった。DNA 損傷は,喫煙により有意に増加しDNA 損傷が引き起こされたが,中止後4週目,8週目で回復した。CAT mRNA 発現は,喫煙により有意に増加し,その後4週目,8週目で回復した。CD206 陽性細胞比率は,喫煙により有意に低下し,回復は認められなかった。AM の細胞数と細胞形態は,喫煙中止後8週目で回復が認められたが,免疫機能は抑制され,回復は認められなかった。その抑制機構の要因として,過剰な活性酸素産生による可能性が考えられた。喫煙中止によりAM の細胞数,細胞形態は回復したが,免疫機能の回復は認められなかった。またM1,M2 型AM の機能は,喫煙中止により回復は認められなかった。喫煙によるAM への影響が長期間持続し免疫機能が回復されないことが,喫煙関連肺疾患の発症に関与している可能性が示唆される。
- Published
- 2023